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【実例】相続した実家の兄弟トラブル|
共有名義で売却が進まなかった新潟市西区の事例詳細を見る
関 健吾スタッフブログ2026年09月06日【実例】相続した実家の兄弟トラブル|共有名義で売却が進まなかった新潟市西区の事例
更新日:2026年9月6日この記事の結論
相続した実家を兄弟で共有名義にすると、将来の売却時に意見がまとまらず、売却が進みにくくなることがあります。共有名義そのものが悪いわけではありません。ただし、誰が管理するのか、いつ売るのか、次の世代に持ち越すのかを決めないまま共有すると、時間とともに判断が難しくなる場合があります。
この記事では、新潟市西区でつぎて不動産が実際に相談を受けた、相続した実家の共有名義トラブルをもとに、同じような問題を防ぐための考え方を整理します。
なお、この記事は個人を特定できないよう、一部情報を編集して掲載しています。法律・登記・税務に関する判断は、個別事情によって変わります。実際の手続きでは、司法書士・税理士・弁護士などの専門家へ確認してください。
この記事で分かること
- 相続した実家を兄弟で共有名義にすると何が起きやすいか
- 兄弟の1人が売却に反対した場合に売却が進みにくくなる理由
- 売却が長引くことで固定資産税や管理負担が続くこと
- 空き家の3,000万円特別控除の期限と注意点
- 共有者の1人が亡くなった場合の二次相続リスク
- 共有名義・単独名義・換価分割・代償分割の違い
- 遺産分割前に家族で話し合っておきたいこと
- つぎて不動産へ相談できる範囲
目次
実際にあった「相続した実家の兄弟トラブル」
今回紹介するのは、新潟市西区で実際に相談を受けた相続不動産の事例です。公平に分けるために兄弟で共有名義にしたものの、売却への意見がまとまらず、長い期間売却が進みませんでした。
ご両親が亡くなられたあと、実家を姉と弟の2人で相続しました。公平に分けるため、姉弟はそれぞれ2分の1ずつの共有名義にしました。
遺産分割協議書も一般的な形で作成され、相続登記も完了していました。一見すると、公平で問題のない分け方に見えます。
しかし、実家をどうするかについて、姉と弟の考え方は時間とともに分かれていきました。
実家は10年以上前から空き家になっていました。つぎて不動産へ相談が来た時点では、すでに建物は解体され、更地の状態でした。
時期 起きたこと 10年以上前 ご両親が亡くなり、実家が空き家に 相続時 姉弟で2分の1ずつ共有名義にした その後約10年間 姉は売却希望、弟は売却に難色。話し合いが進まなかった つぎて不動産へ相談 姉から相談を受けた 相談後 管理負担や今後の方向性を整理 最終的に 弟も納得し、仲介で販売 約1年後 決済・引き渡しまで完了 最終的には仲介で販売し、相談から決済・引き渡し完了まで約1年かかりました。ただし、そこに至るまでには、姉弟間で約10年もの間、売却の話し合いが進まない期間がありました。
相続した実家を売却する基本的な流れについては、新潟市で相続した実家を売却する流れでも詳しく整理しています。
姉は売りたい、弟は売りたくない。なぜ売却が止まったのか
売却が止まった理由は、姉と弟のどちらかが悪かったからではありません。管理や費用の現実を見ていた姉と、思い出のある実家をすぐに手放せなかった弟との間で、将来の方針がまとまらなかったことが大きな原因でした。
この事例では、姉が売却を希望していました。主な理由は、固定資産税の負担と、今後も管理し続けることへの不安です。
更地になると、住宅用地に対する固定資産税の特例が外れ、固定資産税の負担が重くなることがあります。今回の事例でも、建物を解体して更地になったことで住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担が大きくなっていました。
姉は、「このまま毎年固定資産税を払い続けるのか」「自分たちの代で解決するのか」「次の世代まで持ち越してしまうのか」という点で悩んでいました。
一方で、弟にとっては思い出のある実家です。すぐに売却する気持ちになれず、踏ん切りがつくまでに時間がかかりました。
ここで大切なのは、どちらかを責めることではありません。姉は管理や費用の現実を見ていました。弟は実家への気持ちを大切にしていました。
問題は、共有名義にした段階で、将来の管理・売却・費用負担・次の世代への引き継ぎ方まで十分に決めていなかったことです。
共有名義の不動産は、1人の判断だけで売却できる?
共有名義の不動産全体を売却するには、原則として共有者全員の意思確認が必要になります。そのため、兄弟のうち1人が売却に反対している場合、実家全体の売却は進みにくくなります。
共有名義とは、1つの不動産を複数人で所有している状態です。今回の事例では、姉と弟がそれぞれ2分の1ずつ持分を持っていました。
この場合、姉だけが「売りたい」と考えても、弟が同意しなければ、実家全体を通常の形で売却することは難しくなります。
共有持分だけを売却することが法的に可能な場合もあります。しかし、家族関係への影響、価格、買主、他の共有者との関係などの問題が起きやすいため、安易にすすめる方法ではありません。
兄弟で相続した不動産を売却する場合は、価格の前に、まず「全員がどの方向に進みたいのか」を確認する必要があります。
売却が長引くと、どのような負担が増えるのか
相続不動産の売却が長引くと、売らない間も固定資産税や管理負担が続きます。さらに、建物の老朽化、草刈り、近隣対応、税制特例の期限、二次相続などの問題が重なることがあります。
今回の事例で実際に確認できている負担は、主に固定資産税です。特に、更地になったことで住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担が重くなっていました。
一般的に、相続した空き家や土地を保有し続ける場合には、次のような負担が発生する可能性があります。
負担 内容 固定資産税 所有している間は毎年かかる 草刈り・管理 雑草、越境、近隣対応が必要になる場合がある 建物老朽化 空き家の場合、雨漏りや劣化が進むことがある 火災保険 建物が残っている場合、保険の確認が必要になる 解体費 建物を壊す場合、まとまった費用が必要になる 税制期限 売却時期によって特例の適用可否が変わる場合がある 二次相続 共有者が亡くなると、関係者が増える可能性がある 売却するかどうか迷っている期間が長くなるほど、判断材料も増えていきます。「売るかどうか」だけでなく、「保有し続ける場合に何が起こるか」まで考える必要があります。
新潟市西区では、住宅地としての需要がある一方で、土地の形、道路付け、間口、駐車場の取りやすさによって売却の進み方が変わります。特に更地の場合は、買主が新築用地として使いやすいかどうかが見られるため、ただ更地にすれば売りやすいとは限りません。
空き家の3,000万円特別控除には期限と要件がある
相続した空き家を売却する場合、条件に合えば「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」により、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる場合があります。ただし、期限や物件要件などがあり、すべての相続不動産で使えるわけではありません。
国税庁では、相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋やその敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売り、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できると案内しています。
また、令和6年1月1日以後の譲渡で、被相続人居住用家屋や敷地等を取得した相続人の数が3人以上の場合は、控除額が最高2,000万円までとなります。
この特例には、相続開始時期、建物の要件、居住状況、耐震性、解体の有無、売却金額、売却時期など、複数の要件があります。
特に重要な要件の一つに、相続開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることがあります。
今回の事例では、ご両親が亡くなられてから10年以上経過しており、相談時点で空き家になってからも10年以上経っていました。そのため、空き家の3,000万円特別控除は、期限が過ぎていたため使えませんでした。
ただし、この記事では具体的な税額や追加負担額は掲載しません。税金については、物件の状況、相続関係、売却時期、取得費などによって変わるため、個別の判断は税理士または税務署へ確認する必要があります。
今回のように話し合いが長引くと、本来検討できた可能性のある制度の期限を過ぎてしまうことがあります。だからこそ、相続した実家をどうするかは、気持ちの整理と同時に、税制上の期限も確認しておくことが大切です。
共有者の1人が亡くなると、二次相続でさらに複雑になる
共有名義の不動産をそのままにしている間に共有者の1人が亡くなると、その人の持分について新たな相続が発生します。これにより、関係者が増え、売却や管理の合意形成がさらに難しくなる場合があります。
今回の事例では、姉が「自分たちの代で解決するのか、次の世代まで持ち越すのか」という点で悩んでいました。
たとえば、姉弟2人の共有名義だった不動産で、どちらか一方が亡くなった場合、その持分は配偶者や子どもなど次の相続人へ引き継がれる可能性があります。
すると、最初は姉弟2人だけで話せばよかったものが、甥や姪など次の世代も含めて意思確認が必要になる場合があります。
- 誰に連絡すればよいか分からない
- 売却に賛成する人と反対する人が分かれる
- 価格や分配で意見が合わない
- 書類の取得や本人確認に時間がかかる
- 遠方在住者が増えて連絡調整が難しくなる
共有名義にする場合は、「今は公平」だけでなく、「将来も動かしやすいか」まで考える必要があります。
相続不動産を共有名義にする前に決めておきたいこと
共有名義にする前には、将来の売却、管理、費用負担、二次相続まで話し合っておくことが大切です。単純に「全員で持てば公平」と考えてしまうと、あとから売却や管理で意見が割れることがあります。
遺産分割の前に、家族で確認しておきたい項目は次の7つです。
- 将来、その不動産を売る可能性があるか
- 誰が管理するのか
- 固定資産税を誰が負担するのか
- 草刈り・修繕・近隣対応を誰が行うのか
- 売却価格は誰がどう判断するのか
- 売却に反対する人がいる場合、どう話し合うのか
- 次の世代に持ち越さないために、いつ判断するのか
今回の事例でも、相続時には公平に分けるために共有名義にしていました。しかし、長い目で見ると、売却や管理の判断が止まりやすい状態になっていました。
大切なのは、共有名義を絶対に避けることではありません。共有名義にするなら、将来の出口まで決めておくことです。
共有を避ける方法は、単独名義だけではない
相続不動産の分け方は、共有名義だけではありません。単独名義、換価分割、代償分割、現物分割など、相続財産全体を見ながら検討する方法があります。
分け方 内容 向いているケース 注意点 共有名義 複数人で不動産を所有する 共同で使う・管理する意思がある場合 売却時に意見が割れることがある 単独名義 1人が不動産を取得する 住む人・管理する人が明確な場合 他の相続人との公平性を整理する必要がある 換価分割 不動産を売却して現金で分ける 売却前提の場合 売却価格や費用、税金の確認が必要 代償分割 1人が不動産を取得し、他の相続人へ代償金を支払う 1人が住む・使う場合 代償金を支払う資金力が必要 現物分割 財産ごとに分ける 預金や不動産など複数資産がある場合 財産の価値に差があると不公平感が出ることがある 「不動産は必ず代表者1人の名義にすべき」とは言い切れません。しかし、売却予定があるなら、最初から共有名義にするより、換価分割などを検討した方が進めやすい場合があります。
公平に分けることと、不動産を共有名義にすることは同じではありません。不動産は現金と違い、管理や売却に意思決定が必要です。
そのため、遺産分割協議をする前に、不動産会社、司法書士、税理士へ相談し、売却した場合の価格、税金、名義の持ち方を確認しておくことが大切です。
トラブルになる前に相談できる専門家
相続不動産の問題は、不動産会社だけで解決できる部分と、専門家の判断が必要な部分があります。相談先を分けて考えることで、話し合いが進めやすくなります。
相談内容 主な相談先 不動産の価格、売却方法、管理方法 不動産会社 相続登記、登記名義、遺産分割協議書 司法書士 譲渡所得、空き家特例、相続税 税理士・税務署 相続人間の対立、代理交渉、裁判 弁護士 相続登記は2024年4月1日から義務化されています。法務省では、相続により不動産の所有権を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があると案内しています。
正当な理由なく相続登記の申請義務に違反した場合、10万円以下の過料の対象となることがあります。
また、期限内に相続登記の申請が難しい場合には、相続人申告登記という制度もあります。ただし、相続人申告登記は売却のための名義変更と同じものではありません。売却する場合には、別途、相続登記が必要になるため、司法書士へ確認しましょう。
つぎて不動産では、法律判断や税務判断を行うのではなく、不動産の価格、売却方法、管理負担を整理します。そのうえで、必要に応じて司法書士・税理士などの専門家と連携します。
つぎて不動産へ相談できること
つぎて不動産では、新潟市西区を中心に、相続した実家、空き家、築古住宅、他社で売却が難しいと言われた物件などの相談に対応しています。売却するか決まっていない段階でも、今後の選択肢を整理するための相談ができます。
たとえば、次のような相談です。
- 兄弟で相続した実家をどうするか迷っている
- 共有名義にするか、単独名義にするか悩んでいる
- 共有名義にした実家の売却が進まない
- 固定資産税や管理負担が重くなってきた
- 更地にした土地がなかなか売れない
- いくらで売れるのかを家族の話し合いの材料にしたい
- 仲介と買取のどちらがよいか知りたい
- 司法書士や税理士へ何を確認すればよいか整理したい
つぎて不動産では、仲介、買取、現状売却、管理などの選択肢を整理し、相談者の状況に合わせて進め方を提案します。
相続登記や税務申告、相続人間の紛争に関する判断は、それぞれ司法書士・税理士・弁護士の領域です。不動産会社だけで完結できることと、専門家へ確認すべきことを分けて、無理のない進め方を一緒に考えます。
よくある質問
Q1. 共有名義の実家は、共有者の1人だけで売却できますか?
共有名義の不動産全体を売却するには、原則として共有者全員の意思確認が必要になります。共有者の1人だけで実家全体を売却することは難しいため、まずは共有者全員の意向を整理することが大切です。
Q2. 兄弟の1人が売却に反対している場合はどうすればよいですか?
まずは、反対している理由を確認することが大切です。思い出、価格、管理負担、税金、次の世代への引き継ぎなど、何に不安があるかを整理すると話し合いやすくなります。対立が大きい場合は、弁護士など専門家への相談が必要になることがあります。
Q3. 相続登記前でも不動産会社へ査定を依頼できますか?
相続登記前でも、不動産会社へ査定や売却方法の相談をすることはできます。ただし、実際に売却を完了するには、相続登記や必要書類の整理が必要になる場合があります。登記に関する内容は司法書士へ確認しましょう。
Q4. 共有持分だけを売却することはできますか?
共有持分だけの売却が法的に可能な場合はあります。ただし、通常の不動産売却より価格や買主が限られたり、他の共有者との関係に影響が出たりする可能性があります。安易に進めず、弁護士や司法書士など専門家へ相談することをおすすめします。
Q5. 共有者の1人が亡くなったらどうなりますか?
共有者の1人が亡くなると、その人の持分について新たな相続が発生します。配偶者や子どもなど次の相続人が関係者に加わる可能性があり、売却や管理の合意形成がより複雑になることがあります。
Q6. 相続した空き家の3,000万円特別控除はいつまで使えますか?
国税庁の案内では、一定の要件を満たす場合、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売却した被相続人居住用家屋や敷地等について、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるとされています。また、相続開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどの要件があります。個別の適用可否は、税理士または税務署へ確認してください。
Q7. 遺産分割協議の前に不動産会社へ相談してもよいですか?
相談できます。むしろ、不動産の価格や売却方法を知ってから遺産分割を考えた方が、共有名義、換価分割、代償分割などを比較しやすくなります。ただし、遺産分割協議書や相続登記は司法書士、税金は税理士へ確認してください。
まとめ:相続した実家は、名義を決める前に出口まで話し合うことが大切です
今回の新潟市西区の事例では、公平に分けるために姉弟で共有名義にした実家が、売却時の意見の違いによって約10年間動かなくなっていました。
共有名義そのものが悪いわけではありません。しかし、将来売るのか、誰が管理するのか、固定資産税を誰が負担するのか、次の世代に持ち越すのかを決めないまま共有すると、あとから話し合いが難しくなる場合があります。
相続不動産は、現金のように簡単に分けられません。公平に分けるための共有名義が、将来の売却時には意思決定を止めてしまうこともあります。
本当に売却を検討する可能性があるのであれば、相続する段階から、誰が不動産を相続するのか、売却して現金で分けるのか、誰か1人が取得するのかをしっかり考えておくことが大切です。
「とりあえず全員で相続する」という決め方は、後から困る火種になることがあります。相続した実家の名義や分け方を決める前に、将来の売却、管理、税金、二次相続まで含めて話し合っておきましょう。
使用した公的資料
この記事について
この記事は、新潟市で不動産売買・相続不動産の売却相談を行うつぎて不動産が、実際に対応した相談内容をもとに、個人を特定できない範囲で内容を編集して掲載しています。相続関係や必要な手続きは案件ごとに異なります。相続登記など司法書士業務に該当する手続きについては、司法書士と連携して対応しています。税務に関する内容は、必要に応じて税理士または税務署へご確認ください。